2006年07月21日

Appleから学ぶ経営講座

今年度第3四半期は売上高は前年同期比24%上昇しました。(7/20日経夕刊)
Peter-Oppenheimer.jpg


純利益は前年同期比48%増。Mac販売台数は同12%増、売上高は同19%増(販売台数よりも大きいということは販売単価が上昇してますね)。iPodの販売台数は同32%増、売上高は同36%増(こちらも販売単価が上昇してますね)。

Appleさん...一番大事な販管費を差っ引いた「営業利益」と「営業利益率」が出ていません(大脂汗)...まあ、純利益が同48%増ですから良いのですが、どの辺りで利幅が上昇したのかちゃんと公開して下さい(汗&笑)。あと、決算表を日本語でも提供して下さい(涙)...

今回Cnet Japanで「(Peter) Oppenheimer氏によれば、同四半期中に、Appleの直営小売店で販売されたMacの約半数は、Macを初めて買う消費者が購入したものだったという。これは、Appleが過去数四半期発表してきたものと、おおむね同じ割合である。」と報じられている通り新規個人ユーザの成長が好調な様です(羨ましい)。さらに既存Macユーザも満足させ、かつてMacを操っていた現Windowsユーザも今回のIntel MacでWindowsが利用出来ることから安心して里帰りして来た可能性もありますね。

bootcamp_bootscreen_02.jpg


とにかくAppleにとっては4/5に発表したBoot Campが大きな効果を生んでいるのは確かですね。Appleが4/1にBoot Campを投入して大きな印象を植え付けたかったのか、もしくは、何もなかったからこそかえって印象に残ると思ったのかは、わたくしには判りかねますが、この結果がBoot Campに効果があるのかもしれないと言う推測を立てるには十分すぎるものだと思われます。

今回、予想外にユーザから早いアクションがあったとわたくしは思います。それだけ新製品のMacBookは大きなインパクトがあったのでしょうし、MacBookが切っ掛けになりその他のIntel Macを検討したユーザが多く存在したのでしょう(PowerMac G5の時は全くユーザからのアクションがありませんでした[大脂汗]...本格的にPowerPC G5搭載Modelが動き出したのはiMac G5が登場してからだと思われます。恐らくこの時の経験からIntel MacはiMacとMacBook Proから投入したのでしょうね)。

大体多くの場合において企業が新しいアクションを興して、それがユーザのアクションに移行して行くのに非常に長い時間を要します。今回たった数ヶ月でその出来事が起こっているということは、Macを購入しているユーザの多くが情報収集に長けたユーザだということが見えて来ますね。さらに多くが個人のライトユーザだというのも予想出来そうです(出荷台数を種別で見てみないとハッキリ言えないところですが[汗&笑]...)。



今回のMacの出荷台数は売上高の55%。そのうちNote型が出荷台数、売上共に61%増加。あくまでNote型は前年同期比での増加ですので、今回のMac出荷台数の何%を占めているのかは、ここからは見えません(Appleっていつも細かい具体的な数字は言わないんですよねぇ...)。

何よりも今回Macの売上が伸びたことでiPodへの依存度が低下することになり、リスク配分が少々良くなったことではないでしょうか?音楽事業全体の占有率は前四半期の50%から45%に低下しています。しかしながらもiPodの売上高は同36%増となっていますからこれは良い傾向です。

最近のプロダクトライフサイクルは非常に早くなっています。成熟期から哀退期への移行間隔もほぼ無いと言える状況です。恐らくiPodに関して早急にでも新たな付加価値を加えた製品を投入するか、もしくは新たなドメインの新規製品を投入して来る可能性が高いでしょう(そろそろ先手を打たないとヤバいというわけです。勢いがあるうちにさらに高くジャンプする。攻撃は最大の防御ですから。それに当時新規ドメインであった初代iPodの登場から今年で5年ですから、そろそろ新たなドメインに飛び込む良いタイミングではないでしょうか。この業界で5年間も独走出来たというのは人間で例えれば一生成功し続けた事に等しいですからね)。


(この静けさをやり過ごすのはなかなか辛かったでしょうねぇ[汗&笑]...)



恐らくMerrill LynchがApple株の評価を押し上げたのは、これらを含め次の変化が大きいと見越したからでしょうね(えっ!?全然違うって!?どうも申し訳御座いません[涙]...)。

さて、話は変わってパートナー企業であるIntelは今回、営業利益が前年同期比54%減となっています。しかし、ここで冷静に考えて下さい。今回のIntel収入減の原因はMPU価格下落が原因と報道されています。これは言い換えれば「高品質な製品を低価格で個人ユーザに届けている」ともとることが出来ます。これは非常に素晴らしいことではないでしょうか??わたくし達個人が自宅の一室で製品版と同等のMPU(CPU)を手作りすることが出来るでしょうか??恐らく無理でしょう。だからこそ、その価値を提供する為に企業が資本を投資し製品を対価と交換で提供しているのです。その求めて来る対価が低くて良いということは消費者にとっては利益以外の何者でもありません(この状況がInteに好ましいかと言うとそうでは無いでしょうし、その価格が適正かどうかはここでは問いませんし、労働賃金の収入がなくなる等は含んでいません[汗]...1000人も管理職を削減するんですからねぇ[大脂汗]...)。

steve_jobs.jpg


今回、AppleはMacのシェアを押し上げる要素が強くなって来ました。これで先日の株主総会でMacのシェアが伸びやんでいることを叩かれた際、Steve Jobs氏が言い放った「市場シェアが1%増えれば、売上は20億ドル増える計算になる」をたった数ヶ月で果たす可能性が出て来ますね(ビックリ)。わたくしSteve Jobs氏ってどちらかというと「ビジョナリーではあるけど経営者ではない。」と思っていたのですが、これは考えを改めないといけないかもしれませんね。これは嬉しい限りです(笑)。彼は本当に成長したのかもしれません(感動の涙)...

あとは、廃熱問題とiPod工場問題とアフターケアの問題を片付けて下さいな(汗)...
そう言えば、ストックオプションの不正問題もありましたっけ(大脂汗)!?...

追記
ITmedia「米Apple、Intel Macが好調で増収増益を維持」に2006年第3四半期の各製品ごとの出荷台数が掲載されています。
Mac全体   出荷台数137万台    前期比19%増 前年同期比12%増
ポータブル  出荷台数79万8000台  前期比60%増 前年同期比61%増
デスクトップ 出荷台数52万9000台  前期比14%減 前年同期比23%減
iPod     出荷台数811万1000台  前期比5%減  前年同期比32%増

ポータブルが前期同様極端に伸びてますね。第2四半期でさえ60%増だったにも関わらず、第3四半期は61%増(ビックリ)...如何にMacユーザがMacBookを待ちわびていたのかが伺えますね(笑)...しかも、あきんどとしては各期ごとに伸びるとは投入のタイミングが上手い(笑)!!

それに対してデスクトップの凹みが(涙)...わたくし...Intel Mac miniは比較的売れているのかも...と思っていたのですが前期からここまで凹み続けているとは(涙)...やっぱりIntel iMacも新designで登場しないとダメですかね(大脂汗)??...まあ、Core Duoになってからポータブルと比較してデスクトップに大きなアドバンテージがないのは事実ですよねぇ(汗)...それだけにポータブルがより光ってしまう...

これと同じ状態ってAppleは結構経験していると思われるのですが、その度に常に対応の遅れが感じられたのを覚えています。今回はどう出てくるでしょうか??あと二週間ほどでWWDCが控えていますから、皆さんが待ち構えているプロシューマー向けモデルの発表と同時もしくは近い時期に以外とIntel iMacがマイナーチェンジするかもしれませんね。フルモデルチェンジして来たら結構ビビりますけど(汗&笑)...どちらにせよ各Intel Macデスクトップがユーザから求められていないのは理解しているでしょうね(笑)。

iPodは前期でモデルチェンジが当面無いと悟ったユーザが安心して購入に向かったというのが原因でしょうか??リップサービスとしてSteve Jobs氏が新たなiPodを示唆する様な発言をしていますが、彼も恐らく「そろそろ情報を小出しにしないとヤバい...」と感じ始めているのかもしれませんね。もしかして、New Modelが製造工程の途中何かでトラブって当初の予定より大幅にずれているのでしょうか??だから情報を小出しにしているのでしょうか??まあ、株価対策もあるのかもしれませんが、この手の発言は情報戦好きの彼のいつものお決まりのリップサービス程度でとっておいた方が良い気もしますが(笑)。(以前iMac G5発表前にiMac G5の簡単な案内とその製造の遅れの謝罪という前例の無いことをしましたが、あれは教育市場と株価への対策でしたからね)  

CNET Japan-成長遂げるアップル--Macの出荷台数は前年比12%増

Macin' Blog-Merrill LynchがApple株を「買い」に引き上げ

気になる、記になる...-Apple、第3四半期決算&米国でのシェアは5%目前

Blog! NOBON-アップル史上2番目の好決算!MacBook も絶好調!

Macin' Blog-タブレットMacとタッチスクリーンiPodに関する特許

CNET Japan-アップル、株主総会を開催--S・ジョブズ氏、環境対策などを説明

CNET Japan-PCの小売販売、2006年第1四半期は堅調--米調査

CNET Japan-インテル、第2四半期決算を発表--57%減益ながら予想は上回る

CNET Japan-インテルが上級管理体制を大きく変革へ

CNET Japan-インテル、管理職1000人削減へ

ITmedia-米Apple、Intel Macが好調で増収増益を維持

当Blog-近未来iPod私的身勝手妄想考察

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posted by 賀川和之 at 11:58| Comment(0) | TrackBack(1) | Market | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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