
3G iMacが発表されたのは2004年8月末。この時Steve Jobs氏は膵臓に見つかった悪性腫瘍の摘出手術を受けた直後で療養中であった。そして、3G iMacはPhilip Schiller氏により発表された。

さて、皆さんご存知の通り3G iMacは大きく分けて今までに3タイプが存在している。発表されてからまだ2年も経っていないのにである。確かにIntelへの移行プロセスがあったためとはいえ、少々モデルチェンジが多い様に感じられるのはわたくしだけだろうか(Speed Bumpsも含めば4回モデルチェンジを行なった事になる)。
04年8月 iMac G5 17" 1.6GHz、17" 1.8GHz、20" 1.8GHz
05年5月 Speed Bumps 17" 1.8GHz、17" 2.0GHz、20" 2.0GHz
05年10月 iMac G5 iSight 17" 1.9GHz、20" 2.1GHz
06年1月 Intel iMac Core Duo 17" 1.83GHz、20" 2.0GHz
(今回はあまりにもモデルチェンジが多いので今までの流れを示しておきたい。あと今回の文中は混乱を避ける為にも一部必要な文面に関してはiMac G5 iSightなど具体名で記載してゆく)
20005年5月に発表されたSpeed Bumps Model(CPUのクロックアップ)は正直驚きなほどの内容の充実が図られていた。その時に感じたのはただのマイナーチェンジに対してこれだけの事を行なって来ることに正直Appleの誠実な姿勢を感じた。
しかし、それから半年と置かずにいきなり「iMac G5 iSight」が登場する。外観に大きな変更は伺えないが内容は完全に「モデルチェンジ」と呼ぶべき内容だった。iMac G5 iSightはどちらかというと、それまでに問題になっていた廃熱対策とIntel CPUへの対応を意図しているものに映った。
iMac G5は発表当初、内部へ簡単にアクセス出来る上、メモリやHDD、光学ドライブの交換、追加が容易に行なえる事と、筐体内部のその美しさに注目が集まった。しかし、先日わたくしが記事にもした通り廃熱に関するトラブルが多発したためにiMac G5 iSightからは廃熱に重点を置き、筐体内部へのアクセス性を完全に殺してしまった。さらにiMac G5 iSightの筐体内部はSteve Jobs氏の下らしからぬdesignであった。そして、Intel iMac登場後もその筐体内部designはiMac G5 iSightとほとんど同じである。

(kodawarisan無断借用お許しください。元画像はこちら。見て頂いて分かる通りiMac G5 iSight以降は光学ドライブの冷却ファンが下部に変更され、大きな熱源に対しては一対一で下部から冷却する対処を行なっている。やはり一番下のiMac G5が美しい。しかし、残念ながら廃熱問題がある[涙]...)
さて、3G iMacに関しての推察は大方2G iMacで記したのでご理解頂いていると思われるが、3G iMacは2G iMacで得た「モニターだけがそこにある...」というシンプルな環境を実現する為に開発されたのではと思われる。しかし、実はこの目的はApple以外の多くのメーカーでも(Appleほど洗練されていたかどうかは別にして)既に開発されて来た内容であった。
特に東芝が1999年に発表した「Dynatop」と同年にNECが発表した坂井直樹氏designの「simplem」、2000年発表川崎和男氏designのシンクライアントマシン(NetBootの様にNetWork上からアプリケーションの操作を行なう)NANAOのEizoブランド「eClient 530L」は3G iMacの流れに繋がるdesignだと思われる。特にeClient 530Lは美しさが際立っている。



つまりAppleは2G iMacで得た経験とそれまであった他社のdesignの流れを組み合わせ(あくまでたまたま同じ発想にたどり着いただけだろうが...)Apple一流の技術力でdesignコンサルティングを行なったという事だろうか(ある意味Vaio 505に対し1G PowerBook G4で答えた時と同じといったところだろうか...)。
恐らくAppleはこの基本designにたどり着いた際、他社を圧倒するトータルdesignとしての価値を高めるにはロジックボードを一体にしつつも限りなく薄くなければ、美しさも強みある個性も生まれないと気付いていたのかもしれない。これが結果的には2G iMacで得たユーザビリティーを捨ててしまう事になってしまった。あれほど自由だったモニターは動きが限りなく制限される事になる。当時「前ModelのiMacの様に横方向へモニターを向けたい時はどうすれば良いのですか。」という記者の質問に対して「アームの裏側は滑りやすくしてあるので、向けたい方向に向けられる。」と答えていたのには非常に複雑な心境になったのを覚えている。
しかし、2G iMacで得られたユーザビリティーは捨てられなかったのだろう、iMac G5からSpeed Bumps ModelまではオプションのVESAマウントアダプタを利用する事でVESAアームを利用出来る様にしていた。皮肉にも3G iMacの美しさを創り出しているロジックボードを内包した薄い筐体が廃熱問題を引き起こしリペアエクステンションプログラム(対象機種に対する無料修理対応)を提供せざる得ない状況に繋がる。

(写真はiMac G5 iSight以降採用された筐体。こちらはリペアエクステンションプログラムの対象には入っていない)
3G iMacは美しくて性能が良い。これが大好きだからわたくしも所有しているわけだが、もっと他のdesign方法も使えたのではと素人ながら思える部分もある。大変失礼な言い方だが、もしかするとレコーディングアーティストの様に全てのネタを出し切ると次のアルバムが創りにくくなるから...といった様な出し惜しみをしたのだろうか??(出来ればこんな事は思いたく無いが...)3G iMacでのトラブルの多さは一所有ユーザとして非常に残念でならない。次期Modelで是非汚名挽回(汚名返上ですね[大脂汗]...dessieさんご指摘ありがとう御座いました[感謝])も兼ねた優れた製品を出して欲しいところだが...
まだまだまだ、つづく...
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とうとう「3世代目」のiMacまで来ましたね。
オイラも所有している「iMacG5」です。
この雄弁なデザインと引き替えに、機能性と廃熱の問題を残してしまった訳なんですが、オイラは後悔はしてません...(泣)
でも次のiMacではデザインの変更は必須ですよね...
失礼ながら訂正を一つ。汚名は挽回してはいけません。返上です。(^_^;)
連続コメント有り難いです(笑)。
わたくしも所有しております3世代目iMacです。
一度でも我が家の敷居をまたいだ以上可愛がってやり
たいかと思っておりますよ(笑)。
次は廃熱に重点をおいたdesignを創って頂きたいですね(汗&笑)。
dessieさん>
最後までお読み頂きありがとう御座います(感動)。
ご丁寧にご指摘も頂き大変有り難いです(笑)。
早速修正させて頂きます。人生死ぬまで勉強ですね(笑)。
また、お立ち寄りください(笑)。
「お金がない〜」と悶絶したあげくMac mini買った小遣い壱萬円男です(^^;)
コレは、できれば是非所有してみたいMacです。
PowerMac G5よりも、MacBook Proよりも(^^)
そうですね。他所のメーカーを見回しても3G iMacほど
美しくまとまったパーソナルコンピュータは無いですからね(笑)。
では、モデルチェンジ前に是非(爆)!!